グリコシルトレハロースは、保水力に優れ、乳化安定や泡立ち向上や泡持続性増強に使われるほか、毛髪の滑り改善作用があることからヘアコンディショニング剤としても使用されます。
グリコシルトレハロースの特徴
グリコシルとはタンパク質や脂質に付加する反応のこと、トレハロースは植物内に存在する天然の糖のことで、主にトウモロコシやじゃがいものでんぷんから酵素によって生成されたもので、トウモロコシなどの糖が皮膚や髪に密着する力を高めたものです。
非常に高い保水力があり、化粧品などへ使用する場合、乾燥を防ぎ、高い保湿力で紫外線によるダメージを食い止める作用があるとされています。
シャンプーなどへ配合される目的は
・保水
・乳化安定化
・泡立ちおよび泡持続性増強
・ヘアコンディショニング作用
保水
グリコシルトレハロースは水分変動を抑制し優れた保水性を有しており、製品中の水分を一定に保持することから、保水や水分変動抑制目的で様々な製品に配合されています。
乳化安定化
グリコシルトレハロースは乳化剤、多価アルコール類、カルボマーなどの増粘剤(高分子)との相溶性がよく、乳化剤と併用することで乳化剤単体より均質で細かな乳化粒子の調製が可能となり、乳化物の安定性が高まる性質があります。
このため、乳化物に配合される場合は乳化安定化剤としての目的も兼ねていると考えられます。
泡立ちおよび泡持続性増強
グリコシルトレハロースは、泡立ちが高く、時間がたっても他の成分に比べても比較的に泡量を維持していることが実験で確かめられています。
ヘアコンディショニング作用
グリコシルトレハロースには実験により毛髪の滑り改善作用が認められています。
分類:結合剤、乳化安定剤、皮膜形成剤、保水剤、皮膚保護剤
英:Glycosyl Trehalose
グリコシルトレハロースの安全性
20年以上の使用実績があり、皮膚刺激性や皮膚感作性(アレルギー性)もほとんどありません。
シャンプーなどへの配合量や通常の使用において、安全性に問題のない成分であると考えられます。
ただし、原料となるトウモロコシやじゃがいもには、まれにアレルギー反応を示す場合があるので、食物アレルギーがある場合は注意が必要です。