シャンプーの洗浄成分では高級アルコール系洗浄成分が、大きな比重を占めています。
高級アルコール系洗浄成分を石油系合成界面活性剤だと誤った情報発信をしている人もいますが、
ホームセンタ－などで販売されていて、TVコマーシャルで宣伝しているようなシャンプーのほとんどはこの高級アルコール系の洗浄成分を使用しています。
高級アルコール系洗浄成分とはどのような物なのか、その特徴は？、安全性に問題はないのかなどについて解説します。
高級アルコール系洗浄成分の種類
高級アルコール系と呼ばれる洗浄成分には、主なものとしては
・ラウリル硫酸ナトリウム
・ラウレス硫酸ナトリウム
・ラウレス硫酸アンモニウム
などが上げられます。
ただし、ラウリル硫酸ナトリウムは、高級アルコール系の洗浄成分の中でも、刺激がやや高めなため、最近はシャンプーの洗浄成分として使われることはあまりなくなっているようです。
シャンプーは法律で、全成分表示が義務づけられています。
容器の裏側を見ると、配合量が多い順番に成分が記載されていて、高級アルコール系のシャンプーであれば
水、ラウレス硫酸ナトリウム、・・などと記載されているはずです。
通常は、溶液としての水が一番多く、その次に洗浄成分である高級アルコール系の洗浄成分が記載されていると思います。
高級アルコール系洗浄成分のメリット
高級アルコール系の洗浄成分の大きな特徴でありメリットとなる点は、安価で洗浄力が強いということが挙げられます。
また、泡立ちが良いという点でも優れています。
ですから、髪や頭皮についた皮脂やヘアクリームなどをしっかり洗い流したいという場合に力を発揮します。
そして、前にも述べたように、TVでコマーシャルを打っているような一般的なシャンプーのほとんどは、高級アルコール系の洗浄成分を使用していると考えて良いでしょう。
高級アルコール系洗浄成分のデメリット<
高級アルコール系洗浄成分のデメリットは、実はメリットと言われている洗浄力の強さが、場合によってはデメリットとして働きます。
若くて、皮脂がしっかり分泌されている人、髪や頭皮にトラブルなどを抱えていない人であれば、全く問題は無いのですが、加齢により、皮脂の出が悪くなって、
髪がぱさぱさしたり、頭皮が乾燥気味の人あるいは頭皮や髪にトラブルがあるというような人だと、高級アルコール系の強力な洗浄力が逆に、頭皮への刺激が強すぎたり、髪の脂分が足りなくなりパサパサになったりすることがあります。
また、頭皮や、髪の脂分がすっかり洗い流してしまう習慣が続くと、人間の身体の防衛反応から、皮脂を過剰に分泌するようになってしまう場合もあります。
皮脂を汚れの原因物質のように気にする人もいますが、もともと皮脂は、人の皮膚や髪の毛をコーティングして保護するための成分ですから、適度に皮脂があることは健康で正常な状態を保つために必要なことでもあります。
シリコンとの関係
最近は、ノンシリコンが良い、シリコンは髪や頭皮に悪いなどという誤った情報が出回っていることがありますが、高級アルコール系のシャンプーにとってシリコンは必要があって配合されている成分であり、
高級アルコール系の洗浄成分を使っているシャンプーにもかかわらずシリコンが配合されていない場合は、髪がキシキシして、ダメージを与える原因になります。
前にも述べたとおり、高級アルコール系の洗浄成分は、しっかり皮脂を洗い流してくれる反面、髪に全く皮脂がなくなることで、髪の表面がガサガサして、滑りが悪くなることから、
この状態を緩和するために、髪をコーティングして滑りをよくするために配合されている物がシリコンになります。
ちなみに、高級シャンプーなどに使われているアミノ酸系の洗浄成分は、適度に皮脂を残して汚れを取ってくれる設計なので、シリコンを配合する必要が無く、当然、ノンシリコンシャンプーになります。
このことを逆手にとって
高級シャンプー＝ノンシリコンシャンプー
そしてシリコンは髪や頭皮に悪影響があるなどという話がまことしやかにささやかれるようになっています。
高級アルコール系洗浄成分の安全性
デメリットの項で述べたとおり、高級アルコール系の洗浄成分は、安全性に問題は無いとはいうものの、洗浄力がやや強力で、刺激が強いことから、
髪や頭皮にトラブルを抱えている人は、アミノ酸系のシャンプーやシャンプーを使わないで髪を洗うお湯シャンを検討してみても良いかもしれません。
