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石油系合成界面活性剤(シャンプー成分事典)

シャンプー成分事典 シャンプー成分事典

 

シャンプーの洗浄成分の話で、石油系合成界面活性剤という名前を聞いたことのある人は多いと思います。

そして、たいがい、この世の物とは思われない、頭皮や髪に害がある成分だとう話がまことしやかに語られていたりします。

実際は、石油系界面活性剤という分類自体が実際にあるのかどうか怪しい言葉ですし、仮にあったとしても、シャンプー関連で使用されている物はありません。

高級アルコール系の洗浄成分を、石油系合成界面活性剤と称している場合もありますが、正しい話ではありません。

そのあたりの、石油系合成界面活性剤という意味不明な用語について解説してみたいと思います。

化学物質

 

界面活性剤は髪や頭皮に悪いのでしょうか

まずは界面活性剤から

界面活性剤というと、それ自体が何か悪い成分のようにいう人がいますがちょっと待ってください。

界面活性剤という言葉の定義から言うと、界面活性剤とは水と油を混ぜ合わせる働きのある成分のことで、簡単に言えば、洗浄成分のことです。

セッケンなども界面活性剤の一種ですし、洗浄成分の入っていないシャンプーなんてありません。

界面活性剤はよくないというのは、明らかにおかしい話で、それならシャンプーを使わずにお湯だけで髪を洗うお湯シャンにしろといことになります。

まあ、これは一概に間違いでは無いのですが、界面活性剤自体を否定してしまうと、シャンプーっていらないってことになってしまいます。

中には天然の界面活性剤は良いけれど、合成界面活性剤がよくないんだという言い方をする人もいます。

でも純粋な天然の界面活性剤というと、卵の白身とか、ぬかということになってしまいます。

米ぬかで髪を洗う江戸時代の女性

これらに含まれるアミノ酸の働きが、マイルドな界面活性剤として働くことはありますが、今時ぬかで身体を洗っている人もいないですし、商品としても売られていないと思います。

じゃあ、セッケンはといえば、セッケンも油脂に苛性ソーダなどを加えて化学合成された物ですし、人類の歴史上6000年間も使われ続けたセッケンは、比較的安全な成分ではあるものの、

アルカリ性が強く、シャンプーとして使用した場合は、髪のキューティクルが松ぼっくりのようにめくれ上がってしまい、お酢や特殊なリンスを使って中和する必要があるほか、

洗浄力が強力ですから、刺激という点でもそれなりに頭皮や髪にダメージはあります。

これは、セッケン系の洗浄成分を非難しているわけではなく、シャンプーの役目が、髪や頭皮についた汚れを取るための物であると言うことを考えた場合、界面活性剤はシャンプーに必要な物と考える必要があります。

 

 

高級アルコール系の洗浄成分は石油が原料?

石油系合成界面活性剤=高級アルコール系の洗浄成分だと思っている人もいます。

高級アルコール系の洗浄成分は、洗浄成分の中では比較的に洗浄力や刺激も強い方ですが、そもそも、TVで宣伝しているスーパーやホームセンターで販売しているようなシャンプーはほとんどが高級アルコール系の洗浄成分を使用しています。

高級アルコール系の洗浄成分がダメだと言ってしまうと、お店に売っている大部分の市販のシャンプーはとんでもないということになってしまいます。

また、高級アルコール系の洗浄成分の原料はヤシ油などの植物油です。

もちろん、石油から化学合成することも可能ですが、それ言っちゃうと、高級アルコール系以外の世の中にあるシャンプーのほぼ全ては石油から化学合成できる洗浄成分を使っていますから、石油から合成できるから石油系合成界面活性剤だって言うのもおかしなことになります。

 

 

石油を原料にしているシャンプーなんてありません

ちなみに、今時のシャンプーの原料はセッケン系などを除けば、ほとんどがヤシ油などを原料としています。

高級アルコール系だけでなく、サロンシャンプーなどに使われているアミノ酸系の洗浄成分も、ほとんどがヤシ油などから作られています。

全部調べたわけではないですけど、今時、衣料用の合成洗剤でも石油から造っているものはないのではないかと思います。

市販のシャンプー

まとめ

石油系合成界面活性剤なる成分は、都市伝説に近い物で、そのような物を使用しているシャンプーはありません。

おそらく、通販でしか入手できない高級シャンプーやサロンシャンプー(アミノ酸系の洗浄成分を使用している)を売り込むために、高級アルコール系の洗浄成分を悪く言うために使用している場合が多いと思います。

高級アルコール系の洗浄成分は、市販されている多くのシャンプーに使われている成分で、特別害があるという成分ではありません。

 

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