ビワは庭に植えられていることもよくある果樹で、このビワの実のなる木の葉から抽出したエキスがビワ葉エキスになります。
ビワの葉は漢方薬としても用いられ、シャンプーに配合される場合は頭皮の引き締めや抗炎症作用の他、育毛や白髪抑制効果が期待されます。
ビワ葉エキスの特徴
ビワの葉から水やエタノール、BG(1,3-ブチレングリコール)、またはこれらの混合液で抽出して得られるエキスです。
ビワ葉エキスに含まれる成分としては
・糖類:ブドウ糖、ショ糖、果糖、マルトース、デンプン、デキストリン
・有機酸類:酒石酸、クエン酸、リンゴ酸
・アミグダリン
・タンニン
などがあります。
ビワは葉の形が楽器の琵琶に似ていることから名付けられたと言われていて、9世紀前後に日本に渡来したと考えられますが、日本で普及したのは幕末に、実の大きなビワが中国から伝わってからになります。
効能としては抗炎症作用と抗菌作用が主なもので
漢方として止咳・止嘔、咳や痰、鼻血、嘔吐などに用いられ、また日本では食中毒や下痢にも用いられます。
そのほかにも、ビワの葉を煎じてお茶や入浴剤にするなど広く活用されています。
シャンプーや化粧品などに配合される目的は
・紫外線などによる抗炎症作用
皮膚は紫外線などを浴びると、ヒアルロニダーゼという物質が活性化されヒアルロン酸の分解が進み、皮膚の保水力や、弾力が低下してしまいます。
ビワ葉エキスには、このヒアルロン酸の分解を促進するヒアルロニダーゼの働きを抑え、ヒアルロン酸の減少を防止することで、紫外線などによる炎症を抑える働きがあります。
・抗アレルギー作用
かゆみを引き起こすヒスタミンの湧出を抑制することでアトピー性皮膚炎などの症状改善に効果があります。
・色素沈着抑制
メラニンの原因物質の発生を抑制することで色素沈着を抑制する効果があります。
・育毛、白髪抑制
毛髪の元になる毛包幹細胞や髪の色素を作る色素幹細胞に対してDNAの損傷を抑制することによる育毛作用および白髪抑制作用があります。
また「FGF-5」という脱毛の原因になる物質の発生を抑制し、さらに血行促進効果があることから抜け毛を防ぐ働きもあります。
因みにビワ葉エキスは、チャップアップ、ブブカ(BUBKA) 薬用プランテル などの育毛剤にも配合されています。
ビワ葉エキスが使用されるものとしてはシャンプーの他、スキンケア化粧品、メイクアップ化粧品、化粧下地、洗顔料、リップケア製品、洗浄製品、ヘアケア製品、育毛剤、まつ毛美容液などの製品に使用されます。
分類:皮膚コンディショニング剤
英:Eriobotrya Japonica Leaf Extract
ビワ葉エキスの安全性
化粧品などへの10年以上の使用実績がありシャンプーなどへの配合量や通常の使用において、安全性に問題のない成分であると考えられます。
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