加水分解コンキオリンは真珠から抽出される成分で、古くから肌のケアや漢方薬にも使用されている成分です。
頭皮の保湿、頭皮細胞を若々しくする作用の他、毛髪に対する手触り感・ツヤ改善作用、キューティクルのリフトアップ抑制作用なども期待出来ます。
加水分解コンキオリンの特徴
真珠を希酸で溶解したとき溶けないで残る有機物(不溶性タンパク質)をコンキオリンと言います。
そして、アコヤガイの真珠に含まれるコンキオリンを酸または酵素で加水分解して得られるコンキオリンペプチドが加水分解コンキオリンになります。
中国の薬学書「本草綱目」には、肌に潤いを与え、顔色を良くするとして記載されています。
また現代においても薬理的に抗ヒスタミン作用などが広く知られており、漢方薬として服用されています。
頭皮やヘアケアとして使用する場合の効能は
・頭皮水分量増加による保湿作用
・毛髪や頭皮細胞のDNA損傷抑制による細胞活性
・エラスターゼ活性抑制による抗老化作用
・線維芽細胞損傷抑制による抗老化作用
が期待され、頭皮細胞が活性化することで毛髪の健全な育成にも寄与することになります。
頭皮水分量増加による保湿作用
加水分解コンキオリンのアミノ酸組成はグリシン含有量が多く、高い保湿性が認められています。
毛髪や頭皮細胞のDNA損傷抑制による細胞活性
毛母細胞や頭皮などの皮膚のDNAが損傷することがあります。
原因としては、細胞内部によるもの(活性酸素)と、外部刺激などによるもの(紫外線や化学物質)が有ります。
DNAが損傷した毛母細胞や頭皮は、細胞分裂が正常に行われず、細胞老化が進むだけでなく、細胞の様々な機能も低下していきます。
この結果、毛髪においては、脱毛、薄毛、白髪などの原因になり
頭皮においては、フケの発生、炎症、光老化、、頭皮バリアの低下のほか、ターンオーバーの乱れ、色素沈着(頭皮へのダメージ)の原因になります。
これらに対して加水分解コンキオリンにはDNA損傷抑制作用があり、細胞を活性化させる作用があるという実験結果があります。
エラスターゼ活性抑制による抗老化作用
皮膚の中にはコラーゲンやヒアルロン酸、そしてエラスチンが存在し、お肌の弾力や、みずみずしさを保つための重要な成分であることをご存知の方は多いと思います。
その中でもエラスチンはお肌の弾力性を保つための重要な成分で、このエラスチンの量を調整しているのがエラスターゼという酵素です。
エラスターゼはエラスチンを分解する酵素で、必要以上にエラスチンが増えた場合にエラスターゼが出て、エラスチンの量を減らしてくれるのですが
皮膚や頭皮に炎症が起きるとエラスターゼが活性化してしまって、エラスチンが必要以上に減少してしまうことが起きます。
加水分解コンキオリンにはエラスターゼの活性抑制作用が認められており、エラスチンの量を適性に保つ事で皮膚や頭皮の抗老化作用が有るとされています。
線維芽細胞損傷抑制による抗老化作用
お肌の美容に詳しい方だとご存知だと思いますが、線維芽細胞は皮膚(頭皮)の中に存在し、コラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸などを産生している細胞です。
コラーゲンなどの成分は皮膚(頭皮など)の保湿や弾力性の維持に重要な働きをしている成分で線維芽細胞が活発に働くことでこれらが正常につくられ頭皮のハリ・弾力維持、そして細胞をみずみずしく保つ事に効果が有ります。
そして、近年の研究で加水分解コンキオリンには線維芽細胞損傷抑制による抗老化作用があることが分かっています。
コンキオリンペプチドの化粧品への応用 (特集/新しい抗酸化・抗老化原料の開発動向)服部 文弘 , 阪井田 和則 , 荒巻 要
外部リンク
また、
・ 毛髪に対する手触り感・ツヤ改善作用
・ キューティクルのリフトアップ抑制作用
などの効果もあります。
その他、加水分解コンキオリンの効果効能については
色素沈着抑制作用
加水分解コンキオリンには黒化メラニンを発生させる物質の抑制効果が有り、この効果により色素沈着を抑制する作用があります。
乳化作用
乳化作用とは異なる性質の液体をむらなく混ぜ合わせることですが、加水分解コンキオリンを用いて乳化することで、非常に繊細な乳化状態を達成することが出来ます。
加水分解コンキオリンは保湿成分、細胞賦活成分、抗老化成分、界面活性剤、美白成分に分類されており、
主に使用されるのは、ヘアコンディショニング剤、皮膚ブリーチ剤、皮膚コンディショニング剤
分類:ヘアコンディショニング剤、皮膚ブリーチ剤、皮膚コンディショニング剤
英:Hydrolyzed Conchiolin Protein
加水分解コンキオリンの安全性
10年以上の使用実績があり、皮膚刺激性や皮膚感作性(アレルギー性)もほとんどありません。
元々、首などに飾る宝飾品である真珠から抽出される成分ですし、シャンプーや化粧品などへの配合量、通常の使用において、安全性に問題のない成分であると考えられます。
ただし、十分に加水分解された(高分子を除去した)成分で頭皮トラブルを起こすことはほとんどないはずですが、貝類に対するアレルギーのある場合は、念のため、パッチテストで安全性を確認してからの使用が望ましいでしょう。
コメント