5α-リダクターゼは人の身体の中に存在する酵素なのですが、男性ホルモンと結びついてジヒドロテストステロン(DHT)という物質に変化し、脱毛を促す信号を出したり、毛髪サイクルの成長期の期間を短くする作用を及ぼします。
そして、この5α-リダクターゼの働きを抑制する成分(食べ物)には何があるのでしょう
5α-リダクターゼがなぜ薄毛に関係するのか
5αリダクターゼは前頭部や後頭部、側頭部、前立腺に存在する還元酵素で、男性ホルモンの一種である「テストステロン」を脱毛ホルモンと呼ばれる「ジヒドロテストステロン(DHT)」に変化させる作用があります。
「ジヒドロテストステロン(DHT)」に変化したホルモンは「アンドロゲンレセプター」と呼ばれる細胞内要素と結びつき、髪の成長に必要な毛乳頭細胞にある男性ホルモン受容体に取り込まれ、脱毛を促す信号を発信するようになります。またさらに皮脂を過剰に分泌させ、頭皮環境を悪化させます。
そればかりか「ジヒドロテストステロン(DHT)」は毛髪サイクルを乱し、髪が成長する成長期を短くする作用もあります。
髪の成長期が短くなると、髪も十分に伸びませんし、休止期にある毛根の割合が増えて、薄毛が進行する原因になります。
5α-リダクターゼの働きを抑制する作用のある食べ物
5α-リダクターゼの働きを抑制する作用のある食べ物というと何か安易ですが、効果が有ると言われる食べ物があります。
亜鉛
亜鉛には5α-リダクターゼの働きを抑制する効果が有ります。
男性ホルモンのテストステロンがジヒドロテストステロン(DHT)に変換されると薄毛の原因になりますが、亜鉛が不足するとジヒドロテストステロン(DHT)が生成されやすくなります。
また、亜鉛はアミノ酸から髪の主成分であるケラチン(タンパク質)を生成するときに重要な働きをします。
亜鉛を多く含む食品には魚介類、肉、海藻、野菜、豆類、種子などがあります。
牡蠣(カキ)やうなぎ、豚肉やレバーなどは亜鉛を多く含む食品としては有名です。
その他には
煮干し、干しエビ、卵黄、鶏モモ肉、ホタテ、牛肩ロース
アーモンド、納豆、ゴマ、大豆、ワカメ、ひじき、落花生、抹茶など
大豆類
大豆類には亜鉛も多く含まれていますが、それ以上に大豆イソフラボンが豊富に含まれています。
イソフラボンは女性ホルモンのエストロゲンと似た働きをします。そして男性ホルモンを減少させ、5α-リダクターゼの働きを抑制します。
イソフラボンが多く含まれる食品としては、豆乳、豆腐、大豆、納豆、油揚げ、味噌、などがあります。
ただし、大豆イソフラボンは摂取しすぎると健康に影響がある恐れがあり、食品安全委員会の見解では大豆イソフラボンの摂取目安の上限値を70~75mgとしています。
これを実際の食品などの量で言うと
豆腐1丁程度
納豆2パック程度
豆乳300ml程度
という事になります。意外と少ない量で上限に達しますね。
また、普段、大豆製品をあまり食べてない人の中には、大豆イソフラボンを、女性ホルモン様の働きをする「エクオール」という物質に変換できない人がいます。そうなると大豆製品を食べても効果は少ない場合があります。
エクオールは食事から摂ることは出来るの?何を食べると良いのでしょう
まとめ
5α-リダクターゼが男性ホルモンと結びつくとジヒドロテストステロン(DHT)という物質に変化し薄毛の原因となります。
この5α-リダクターゼの働きを抑制する食べ物としてはカキなどに含まれる亜鉛と、大豆製品に含まれるイソフラボンがあります。
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