シャンプーには汚れを落とす洗浄成分として、合成界面活性剤が配合されています。
この合成界面活性剤はどのような働きがあり、どのような種類があって、それぞれどのような特徴があるのでしょう。
界面活性剤について
界面活性剤とは水と油のように、本来は混ざり合わないものを、混ぜ合わせる働きを持ったもので、シャンプーで言えば頭皮や髪についた皮脂や汚れを洗い流す働きを持っています。
時々、界面活性剤が入っているシャンプーは頭皮や髪に悪いから使ってはだめだとか、天然の界面活性剤は良いけれども、合成界面活性剤の配合されているシャンプーは使ったらだめなどと主張している人がいますが、
シャンプーに配合されている汚れを落とす洗浄成分は、ほとんどすべてが合成界面活性剤ですし、天然の界面活性剤となると、米ぬかや、大豆や卵に含まれる「レシチン」、ヘチマなどに含まれるサポニンとかいうことになってしまいます。
これらのレシチンやサポニンが補助成分としてシャンプーに配合されることもありますが、洗浄力が十分ではなく、メインの洗浄成分として使用されることは通常はありません。
というと、石けんはどうなるのという人がいるかもしれません。
石けんは数千年前から人類が使用してきた界面活性剤で、アレルギー反応などは起こりにくいかもしれませんが、石けんシャンプーの場合、石けんはアルカリ性なので、髪の毛のキューティクルが松ぼっくりのように広がってしまい
シャンプーした際に専用のリンスで中和する必要があったり、洗浄力が強力で髪や頭皮への刺激が強いという特徴もあります。
参考
石鹸は油脂とアルカリを原料につくられます。油脂は動物や植物など天然由来のものを使用し、これを苛性ソーダ(水酸化ナトリウム)や苛性カリ(水酸化カリウム)のどちらかのアルカリと一緒に化学反応させることで石鹸ができます。
これを天然の成分とするか化学合成された成分とするか見解は分かれるんじゃないかと思います。
合成界面活性剤の種類
合成界面活性剤は水に溶解したときのイオンの種類によって以下の4種類に分類されます。
・陰イオン界面活性剤(アニオン界面活性剤)
・陽イオン界面活性剤(カチオン界面活性剤)
・両性界面活性剤(アンホ界面活性剤)
・非イオン界面活性剤(ノニオン界面活性剤)
陰イオン界面活性剤(アニオン界面活性剤)
陰イオン界面活性剤(アニオン界面活性剤)は泡立ちが良く、乳化・分散性に優れ、温度の影響を受けにくいことから、多くのシャンプーやボディーソープなどのメインの洗浄成分として使用されています。
陰イオン界面活性剤(アニオン界面活性剤)(シャンプー成分事典)
陽イオン界面活性剤(カチオン界面活性剤)
陽イオン界面活性剤(カチオン界面活性剤)は帯電防止効果があり、殺菌せいもあることから、コンディショナーの成分や、殺菌剤としてよく使われます。
陽イオン界面活性剤(カチオン界面活性剤)(シャンプー成分事典)
両性界面活性剤(アンホ界面活性剤)
頭皮などへの刺激が少なく、水との溶解性が優れ、他の活性剤などとの相乗効果が高いことから、助剤としてシャンプーやボディーソープなどに使われます。
非イオン界面活性剤(ノニオン界面活性剤)
親水性と疎水性のバランスを容易に調整でき、乳化・可溶化力に優れています。ただし、泡立ちは少なく温度の影響を受けやすい特性があります。
乳化・可溶化剤、分散剤などとして使用されます。
非イオン界面活性剤(ノニオン界面活性剤)(シャンプー成分事典)